「ICT」と「人」の架け橋になり 新しい情報化時代の進展をお手伝いする

「最新のデータを確実に見られる仕組み作り」アイメイド株式会社

海外からの看護師・介護福祉士などの人材を受け入れ採用支援までを行う、アイメイド株式会社さん(以下アイメイド)の事例をご紹介します。

システムの選定からkintone導入まで尽力されている、総務部部長 石原由之さん、総務部 大山千佳さんにお話を伺いました(以下敬称略)

石原さん(右)、大山さん(左)

石原由之さん(右)、大山千佳さん(左)

導入の目的

  • 大量の文書をデータで運用したい
  • 長期間にわたりさまざまな拠点で使用するデータを一元管理したい
  • 社内ルールの変遷に対応しやすいシステムにしたい

看護・介護の外国人人材を育成する

まず御社がどのようなお仕事をされているのか教えて頂けますか?

石原

医療介護業界に特化して人材育成をしています。ただ単に人材育成をやっても行き先がないと困ってしまうので、病院とか介護施設のお客様に人材を紹介して彼らの就職までサポートする、というプログラムを今やっています。

最初は中国人、韓国人の看護士から始めました。今から7〜8年前は看護士が足りないと言われて大騒ぎしていた時代です。弊社は中国・韓国の看護大学と提携をして、その卒業生を連れてきて日本で日本語教育をやりつつ、国家試験対策をしていました。この国家試験が、N1という日本語検定の一番上のグレードをとらないと試験すら受けられない。日本語力を引き上げつつ、国家試験の対策をしてあげる、ということです。

いくら中国・韓国で看護大学を出ているといっても、日本の学校とは専門用語が違う。そこで大体1〜2年ぐらい勉強させて合格させる。合格した段階で既に内定先が決まっている状態にして、そのままスムーズに就職できる。7〜8年位前からそういうプログラムを行っていました。そのプログラムを応用して今はベトナム人にも日本語教育を行っています。

今、うちの学生は8割くらいベトナム人で介護福祉士をメインでやっています。介護の「2025年問題」というのがありまして、2025年に団塊の世代が後期高齢期のピークに達します。この世代が介護を必要とするとなると、介護人材は、政府の予測で40万人前後足りなくなる。すると日本人だけでは足りなくなります。外国人も雇っていかなければならない。そこに着目をして介護人材の育成・紹介のプログラムをやっています。介護に関しては、日本語学校に行かせた後、介護の専門学校に2年間。だから最短コースで日本語学校1年と介護の専門学校2年の3年間。日本語学校に1年半通う場合は全部で3年半ですね。時間をかけて育成して、今年の春にようやく第一号が卒業・就職します。20数名くらいかな。

そういったことを行っている会社です。人材紹介もしていますけれど根っこの部分は教育ビジネスです。

私が前職は製造業で、IT系の担当をしていたんです。ベトナム人の労働者を3人受け入れて、N1の試験を受けられるように勉強していたんですけれど、まだなかなか……一番できる子がN1受けて受かったのかな?

石原

ベトナム人はN1はなかなか受からないです。

そうですよね、難しいと言っていたのをよく覚えています。

石原

今ここでベトナム人のスタッフが4人いますけれど、N1持っている人はいないです。でもN2の上の方であれば会話はまったく問題ないですね。ベトナムの現地法人を昨年の6月に立ち上げて1年近くなります。現地法人もベトナム人スタッフがたくさんいますけれど、N1を取っているのは少ないです。普通はN2でも十分。

ベトナム現地でも日本語教育をかなり行っていまして、日本人の講師とベトナム人講師を合わせて30人くらい、向こうで日本語を教えています。現地で日本語教育をしてある程度仕上げた上で日本に送り込む。ただ日本語教育ではなくて、たとえば日本語を教えながら介護の言葉や基本的ないくつかの技術は教えています。ある意味、職業訓練校に近い日本語学校です。国内でも最後の2か月はベトナムの子たちに介護の言葉や基本的な技術を教えています。介護福祉の先生も一部参加しています。

そこに強みを保っているということですね。

石原

この辺に日本語学校はコンビニの数くらいあると思うんですが(笑)その中では看護・介護に特化していますね。

たしかに前職の職場で働いていた子たちも人材系の会社で製造業向けの日本語教育をされてきていました。職業訓練を兼ねて日本語教育、というのが効率良いですね。

石原

外国人の受入は今後実施していかないと立ちゆかないというのは目に見えています。2018年問題というのもありまして、今、高卒者が大量に減っている。専門学校や大学にとっては戦々恐々たる状況で、競争が激しく、学生の奪い合いです。18歳の新卒者がどんどん減ってしまうので、若年層の労働人口が減ってきますよね。となったら外国人を入れていかないと立ちゆかないですよ。

彼らが日本で活躍するための重要なポイントというのは日本語です。でもそれだけだとダメだから専門性を身につけなければだめだと思ってます。日本語力と専門性をいかに高めるかというのが外国人を受け入れる上で、すごく重要なポイントだと思いますね。

石原さん、大山さん

長期にわたって学生一人一人をサポートするために

アイメイドさんでなぜkintoneを選んだのか、kintoneにどんなことを期待していましたか?

石原

弊社はもともとExcel文化、ペーパー文化でして、紙が多い。紙の書類やExcelを多用してメール添付でやりとりしていると、どうしても情報がどこかで誤ってしまったり、入れ違ってしまったり、管理するファイルが膨大に増えてしまったり。どのバージョンが最新かわからなくなってしまうとか。よくありがちな話だとは思いますが、けっこう困っていたんですよ。

kintoneを入れる前に一昨年の11月にサイボウズオフィスを入れました。それまではスケジュールをホワイトボードに書いていた。それも徹底されていないので「あの人、今日どこに行ってるんだっけ」という状態でした。

我々がベトナムで多くの学生に教育をして、日本に連れてきて、日本語学校入れて、専門学校入れて、就職するまでけっこうロングスパンです。ベトナムでの学習期間含めて下手すると4年くらいになってしまいます。それだけの期間、多くの学生を管理しようと思うとやっぱりデータベースにしないと限界がある。ちょうど一年くらい前に検討し始めて、いろんなグループウェア、Access、ファイルメーカーなど、比較検討しました。一から開発してくれるような会社と話をしたりもしました。しかし、コスト的に合わないとか、作り込んでしまうと手直しにコストが発生するとか、いろいろ考えると、結局クラウド型にするしかない。クラウド型の中でいくつか比較検討した中で、サイボウズさんが一番使い勝手がいいし、信頼できる、というところでkintoneに落ち着いたんです。

ちなみに大山さんはどんな役割をされる方ですか?

大山

kintoneで作り込んでいるシステムの管理をしていまして、実務的なところを基本的に私がやっています。

石原

大山はもともと学生のデータをExcelで管理する担当でした。彼女が今kintoneアプリの開発とかも全部やってくれています。もう1人欠席していますが営業兼務の行平という女性がいて、2人でアプリの開発をしています。

kintoneは、リテラシーの高い人間がいれば社内でもアプリを作れるというところが魅力ですね。普通はどうしてもシステム投資になり改修に手間がかかる、自分たちでは何もできない、そこがkintone使うと社内である程度できるところが魅力ですね。

前職で、私が入社した時には既に導入されていたシステムがあったのですが、社外に頼んで一から作ってもらったもので、ブラウザのバージョンアップに対応していなかったのでエラーがあちこち起きて、取引先の情報を書き換えようとすると誰かがデータベースにアクセスして何かのSQLコマンドを打ち込まないと書き換えられないという状態にまでなっていました。それよりは、kintoneとかで社内でちょっといじれるとか、データを少し変えられるというのは便利ですよね。

石原

弊社はまだ立ち上げて5年くらいなので、コーポレートベンチャーなんです。まだ立ち上げフェーズなので、いろいろやり方が変わります。業界もどんどん変化していくのでそれにも対応しなければいけないということで、あんまり最初からがっちり作り込んでしまうと後で大変なことになるというのが目に見えていたんですね。そこで、利用側が作り替えることができるクラウド型しかないということで、その辺りの判断は最初から速かったですね。クラウド型にしよう、と。

前回インタビューしたフロンティアコンサルティングさんも同じことを仰っていました。変化に対して対応しやすいという部分をkintoneで評価したと仰って頂いて。

フェーズごとに利用方法が変わるデータを一元管理する

kintoneを今どんな風に使っておられますか。Excelを置き換えた感じでしょうか。

大山

完全に移行してはいないんですけれど、今ちょうど移行期間という感じで、まだExcelを使いつつ、ちょっとずつシステムを使い始めてもらっているような形です。

例えば、kintone側で動いている情報、データってどんなものがありますか?

大山

基本的には学生アプリというのを作っていて、学生の基本情報から、就職先の学生たちの就職する先とか、誰がどの日本語学校に行って、どこの専門学校に進学してるのかという情報を長い期間で見て行かないといけないので、その管理をメインに行っているイメージです。まだ今の段階ではまだ学生が多いので学生を管理するような形で、今年から就職する介護福祉士が出てきます。

今まではExcelですべての情報を管理していたんです。看護士のコースではもう就職して働いている方も何人かいて、お金周りのことも全部Excelで管理していたのですが、人数が少ないからExcelでなんとか管理できていたというところがあります。これが何百人と人数が増えると、やっぱりkintoneのようなシステムでないと難しいですね。

石原

正確にいつ新システムがスタートしたかという明確なラインはないですが、少しずつ動かしている感じですね。これまでが紙文化、Excel文化でやってきて、こういうことに対してリテラシーの高い人間ばかりではないので、できる人を発掘して、やり方を覚えてもらって周りに広げてもらうという活動を今進めています。全員よーいドンってやり方はうちの会社になじまないと思っているので。

全部ドーンと新システムを入れると労力がかかりますし、プロジェクトメンバーに質問が集中するので対応も大変になります。

石原

運用する人と、ReadOnlyに近い人を分けていかないと。一斉にやると一番遅い人たちに合わせないといけないので、あんまりよくないな、と思います。できる人から使ってもらって流れを作って行く。

このアプリを触る方というのは、学生管理をされている部署みたいな感じでしょうか?

石原

時系列に沿ってお話しすると、我々はベトナムで最初に学生の希望者を集めます。我々のプログラムに参加したい学生ですね。事前面接で選抜(合格)させた学生をデータ登録します。これはベトナム側の仕事です。

その後、マッチングを希望されているお客様と面接をして頂いて内定、というプロセスがありまして、その辺りも全部ベトナム側がメインで管理します。

来日するまでの日本語教育、入管の申請とか来日準備という部分は、ベトナムが主体となりつつ日本側と協力しながら。来日した後、日本語学校、専門学校、あるいは卒業して就職をして……というプロセスは逆に日本側がメインになります。

それぞれフェーズによって役割分担して主体となる部署も違います。アプリもいくつか作って管理していこうと。学生アプリがメインですが、目的に応じて面接会用のアプリがあったりとか、日本語教育に関する教務の先生が管理するアプリだったりとか、フェーズごとに変えていく感じですね。

それぞれのフェーズで違う人が入力していく感じなんですね。

石原

それぞれ担当が違ってフェーズが違いますが、全部の学生にユニークなIDをふっていくので、彼らが最初どういった状態で学習を始めたのか、どういった履歴で学習がステップアップしていくか、来日してから日本語学校でどういった教育をしたら良いのか、全部わかります。点ではなくて線でつながるというんですか、継続的な教育を効率的に作っていける。就職してからも過去の履歴からずっと見ているのでマネジメントしやすいです。そこには学習の履歴だけではなくて生活上で起きた問題とか悩みも記録できるので、本当に学生たちをサポートできるツールとして非常に有効だな、と思いますね。

これが一個一個、目的別にExcelファイルを作って全部ぶつ切りになると、わからなくなってしまうんです。Excelでこの膨大な履歴を作って行こうと思ったら大変なことになってしまう。実際そういうのも作りかけていたんですが、これはやめようといってやめたんですね。

個人カルテみたいな感じですね。

石原

場合によっては彼らが一定期間そこで勤めてステップアップで転職したいとか、他の地域に転職したいという場合も、データを持っているのでいろいろ支援できると思います。一生その学生と付き合っていく。介護士も看護士も日本に来て10年間頑張って、在留資格・永住権を申請できるんです。場合によっては定年までその企業で働くことができる。学生のデータを個々でユニークなIDを作って管理していくのが非常に重要だと思います。

永住権を得たいという方もけっこう多そうですよね

石原

実際多いです。日本でずっと働きたいという学生も多いです。ジャパニーズドリームですね。日本で介護とか看護の国家資格を取って働くっていうのは資格とって経験積めばどこでも働けるので。

僕のイメージだと向こうの方って家族を大事にされるので戻る方が多いのかなというイメージだったんですが

石原

いろいろですね。戻るって子もいますし、家族を呼びたいというのもありますね。まぁただ親は呼び寄せるって言っても観光ビザでしか呼べないので、観光ビザでちょっと来て帰るという感じですね。

Excel並みの出力の自由度を再現するのは難しい

kintone利用を現場でどのように促しているかってことを伺いたいです。

大山

これからですね。Excelで作った一覧を紙で見たいという要望が多いので、kintoneでもどうにか一覧印刷できるようなプラグインを使って実現しようかと思っています。「それ一覧で見られるの?」「印刷できない?」とかですね。

石原

外部のプラグインをいろいろ紹介頂いて検討中です。普段Excelで使っているような感覚で出力したいんです、現場としては。ちょっと加工してお客さんに資料として出したいというのはExcelで頻繁にやっているので、そこは多少対応してあげないと使いづらいだろうな、と。顧客提出用の資料とか自分で手元管理したい資料とかあるので。

ただそのデータがバラバラでExcelで保管されていると、どのデータが最新かわからなくなってしまう。最終の確定したデータ、ステータスはデータベースでの一元管理が必要です。そこからエクスポートして、場合によってはアドオンと連携して、写真付きだったりいろんな形でレポートにするツールはあるので、うまく使いながら出力はカバーできるかと。ただ、元の入力データが間違っているとどうしようもない。そこは正確にしてくれと。

データを一元管理するというのが大事なとこですよね。

大山

出力の自由度を求められてしまうと難しい面があります。こんな帳票が欲しいとか言われると……。

それはそれで苦労しますよね。

大山

今まで全部Excelで管理していて、例えば「ここの就職先の内定者の一覧を外にいる人にメールで送って」という指示が来たら対応していたんですが、ちょっとずつkintoneで検索すれば見られる、というのが浸透してきています。

そういうところから始めて、とりあえず触ることに慣れてもらって。慣れてくれば仕事のやり方も変わってきますし、便利だなと思うとみんな積極的に使ってくれると思っています。

石原

あと営業的には、契約とかお金の関係が出てきます、どうしても。そこがやっぱり今までなかなか一元管理できてなかったので、契約や、そこにかかるお金の流れも全部サイボウズ、kintone上で管理しておこうと思っています。

会計システムはリアルタイムでの反映は無理ですが、手動も交えながら会計情報もつけて、契約、請求、入金消し込みというところもシステムでできるようにしていこうかと思っています。経理側からも要望があって、経理側の省力化をしたい。

学生をものに例えてはいけないんですが、ある意味、在庫管理に近いところもあります。工業製品だとある程度安定して出荷できると思いますが、相手が若い個人なので思う通りにはなかなかいかない。一人一人のスケジュールとか内容の違いも出て来ますし、データベースにすることによってそれが個々に個別に管理しやすくなりますね。

基本的には大山さんの方で全体のkintoneの全体の設計というか企画されるような感じですか?

大山

打ち合わせをしながらもう一人の担当と一緒にやっている状況ですね。

石原さん、大山さん

「最新の情報の、確実なものが見られる」仕組み

使ってみて、ここが良かったという部分は何かありますか?

大山

「最新の情報の、確実なものが見られる」という仕組みを作ることができたのがいいのかなと思います。情報があちこちに錯綜してどれが本当の情報かわからないという状況がけっこうありました。分かる人が正確な情報を入力しておけば、あちこちで違う情報が行き交うようなことが減ると思うので、そこがやっぱり一番いい点かなと。

石原

「ここだけ見てくれ」っていうところをやっぱり作らないといけない。kintoneを導入したのはすごくいいタイミングだなと思いますね。

まだ立ち上げ5年ですけれど、その分急速に人が増えています、特にこの1〜2年。以前10人以下の組織でやっていたのが、日本語学校含めて今ここだけで25人、ベトナム含めて50人規模。すると、情報がうまく伝わらないことが出てきます。

大山

担当が、それぞれ自分の管理表を持っていたりして、「私が持っているのとこの人が持っているのが違う」といったような事がけっこうあります。

石原

Excelの使い方でも、データベース的な使い方をしている人とワープロ的な使い方をしている人がいて、その帳票だと全然並び替えやソートができない、というような場合もあります。全部データベースに入れてしまえば、あと加工は皆さん好きなようにやって下さい、ということにできます。

kintoneで気になる点、改善して欲しい点がありますか?

石原

個人的には、画像がCSVでインポート・エクスポートする関係で、うまく扱えなかったりするのは、多少ちょっと手間だったりします。

それはアドオンで解決できるなら、多くのkintone導入しているクライアントが同じところで悩んでいると思うので、サイボウズさんは標準仕様で入れてもいいのではないかなと。標準で入れるか、kintone+αで使えるようにするにしても。

アドオンではいろんな会社さんがあって、何を導入して良いか迷うので、kintone標準のようなものが、画像とかデータに関してあっていいのではないかと思います。レポートツールに関しては業界によって使う帳票が違うので、そこはカスタマイズできるアドオンでいいかもしれないですけど、画像データのインポート・エクスポート部分が何か追加しなければいけないってのは、ちょっとどうなのかな。

大山

データベースと言いつつも印刷したい、という需要があるので、印刷機能はもうちょっと充実しているといいのかなと。

それはやっぱり帳票のような形ですか?

石原

帳票ですね。

Excelの帳票機能はけっこう使えますからね

石原

そうなんですよ。使い慣れていると「kintoneはあれできないの?」という話になってしまう。そこで現場側として不安が出てしまうと、導入が上手く進まない原因になってしまうのではないかなと。直観的に使えてExcelに近い方が現場はおそらく使いやすくて、なじみやすいと思います。

大山

あと一覧として見たいっていうときに、関連情報とか、テーブルになっていると一回クリックして下に出てくるような感じになっていると思うんですが、自分が好きなような一覧を作れるようになればいいなっていうのがあります。

複数の表から情報を持って来た時にもうちょっと見やすい形とか自分の好きな形で一覧が作れると便利ってことですね。

大山

そうですね。これを一覧に出したいと思ったけれど、関連情報で持って来てたから一覧に出せないんだった、というのが出てくるので。データを元から作り直さないといけないという状況になったり。

石原

最終的に比較検討した中にNIコンサルティングさんの「如意箱nyoibox」ってシステムがあって、かなり比較検討したんです。実は向こうの方がランニングコストかなり安くて、直観的なインターフェイスとか作りもかなり向こうの方がこなれていまして。いいな、って。ただサードベンダーがいないので、こちらの要望をぶつけても、開発側で、ある程度ニーズが貯まらないとできない、ということで、そこで諦めたんですけれども。インターフェイスの使い勝手とかデザインは全体的にもうちょっとサイボウズさん頑張って欲しい。とっつきやすさでいうと如意箱nyoiboxはよかった。現場もこれだったら使いやすいし、見た目や操作も含めてわかりやすかったですね。サイボウズさんの製品はちょっととっつきにくいところが最初あるかな。

弊社ではサイボウズオフィスを導入しています。スケジューラーとしては使い勝手いいですね。ただkintoneとサイボウズオフィスとの親和性があまりよろしくないという話を聞いていて、どこまで併用するか考えています。このままだと二重にコストがかかるので。

Garoonとの連携はけっこうサイボウズさん熱心に力を入れてらっしゃって、どうしようかなと思ってですね。場合によってはスケジュールだけだったらkintone上で作れちゃうんでしたっけ。サイボウズオフィスはデータのファイルの置き場としても一部使ってますけど、それもやろうと思ったらkintone上でできてしまうと思いますし。

サイボウズオフィスとGaroonとの微妙な状態っていうのがなんかちょっとモヤモヤしますよね。

「後から修正できる」という安心に潜む落とし穴

「もう一度最初からやり直しましょう、ゼロに戻してこれから導入します」となったとしたら、ここをこうすれば良かった、という点がありますか?

大山

開発面でというよりも実務的な部分ですけど、ちょっとずつ、今ある情報から入力していったんです。まとまった分から入れていったんですけど、情報を全部まず最初にまとめてから、入れたいものをまとめて入れれば良かったと思うんです。ここはまとまったから先に入れて、こっちがまとまったから入れて……とやってたら、まとまりが悪くなってしまいました。

石原

最初、彼女たち二人に開発を覚えてもらって、そこから手を動かしながらいろいろ覚えていきました。入れてみないとわからないことも多いので。いろいろしているうちに、設計見直す時にやっかいな部分が出て来たり、というのはありますね。業務プロセスを見直したらやっぱり違う、というのが出て来て、どうしても変更が必要だったり。そこの反省は若干あります。そんなに被害が大きくないですけれどね。

あとから修正がやりやすいって言い面もあるけれどそこに甘えちゃうと設計が甘くなっちゃう。それで想定より時間がかかり過ぎちゃうというのは結果としてありうるところかなと。

「後からいじれる」と思ってやると、意外と後からいじるのが大変だったりするんですよね。

石原

そこは最初の段階で考えないと後から困ってしまうかもしれないですね。

これからやる方へのアドバイスって何かありますか?

石原

スモールスタートっていうのはありますね。

あと、最初使わなさそうな人にもアカウントを与えてスタートしちゃったのはけっこう無駄だったかな(笑) 経理的に言うとですね。使わない人にアカウントを与えても無駄に費用がかかるだけなので。どういった段階でどの人に卸していくのか、もうちょっと考えた方がいいのかな、と。「立場上やらなければいけない人、やってもらいたい人」と「向いてる/向いてない」ってあるので、立場上やらなければいけないんだけど向いてない人は「手を動かさなくていいんで全体の流れだけ知っておいてください」と伝える。手を動かして欲しい人には積極的に一本釣りで「キミ向いているね」ってやってもらう。そういう使い分けをしてます。やっぱり適材適所なので。

各部署ごとに一斉スタートのような形は、まず足並み揃わなくて、部門長が理解してないと下も動かないと思いますし。よその会社でも、いろいろ社内の人間関係あったり、部署間関係あったり難しいところはあると思うんですが、なるべく部署とびこえてできる人集めてやる方が早いと思います。

大山

「ちょっとずつさわってもらう」を早くやってもらった方がよかったですね。1月からといってたのが4月からになったり、遅くなってしまったので。

石原

開発メンバーの次の運用メンバーの育成が遅れたかな。開発はこの二人でやったのですが、運用レベルで、そこは課題ですね。

ありがとうございました。

まとめ

  • 社内の仕組みが変わっても対応できる柔軟さ
  • 「後から変えられる」としても、データの整理はしっかり
  • 最新のデータを確実に見られる仕組み作り
  • 帳票の自由度はExcelを期待すると難しい
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