「ICT」と「人」の架け橋になり 新しい情報化時代の進展をお手伝いする

システム化は業務改善と表裏一体。「e売るしくみ研究所」

本八幡にあるweb制作会社、e売るしくみ研究所さんの事例をご紹介します。

e売るしくみ研究所さんではkintone上で「業務管理」「売上計上」「顧客管理」などのアプリを活用。日々の業務に生かしておられるということです。山本社長にお話を伺いました(以下敬称略)

e売るしくみ研究所 山本直人社長

導入の目的

  • 業務を効率化してムダを省きたい
  • グラフを利用して売上を見やすく管理したい

「工務店向けのweb制作会社」

e売るしくみ研究所さんのお仕事について、教えて下さい。

山本

webの制作会社です。お客様は住宅会社、工務店ですね。

お客様はどういう課題を持ってこちらに来られるんでしょうか。

山本

「webで反響をとってお客を集めたい」ということですね。そこでお客様の分析をして提案をして制作しています。

コンテンツ制作ということですが、同業他社と比べた時、e売るしくみ研究所さんの特色は?

山本

差別化は難しくなってきていますね。「SEOできます」「反響とれます」は「空気を吸えます」というレベルで、どこでも違いがなくなってきている。

うちは「ランチェスターの法則」「弱者の戦略」とも呼ばれる考え方をベースにお客様を取材して、お客様の特色を引き出してwebを制作しています。ただ、それも他で同じようなサービスはありますし。

10年以上前は京都にある会社と2社だけだったけれど、今は競合が10社以上の競争状態ですね。

ということはe売るしくみ研究所さんはこの分野では老舗なんですね。

山本

お客さんにそういう認識がないので、新しく出て来た会社が「新しい」とは思ってもらえない。知名度としては横並びですね。

強いエリア、とかありますか?

山本

お客さんの数は一都三県が多いけれど、全国にお客様が散らばっています。昨日行ったのは大阪でしたし、その前は和歌山、福岡。南の方が多いですね。月5〜6回出張しています。

グラフを使えるようにしたかったが実際は……?

kintone導入前の課題について教えてください。

山本

もともとはサイボウズデジエを使っていました。「グラフ化で分析したい」というつもりでkintoneを導入したのですが、現実は、意外と使っていないです。

グラフよりも結局「どこがどれだけ売り上げたか」みたいな数字を見たいので「クロス集計」で表を表示させて見ることが多い。グラフに数字も表示させればよかったと思っています。なので現状では、プレゼンに使うならExcelに落とし込んだ方がいいじゃん、という感じになっていますね。

(kintoneは)webのシステムなので制限があり、やりたい部分、使ってて「直したい」という部分ができないで困ることがあります。たとえば、会社名の検索をする時に、検索条件が設定順になっている。並べ替えができない。「会社名」とか使用頻度の高い項目を上に表示させたいんです。下までスクロールするのは手間ですから。そういう「使ってると出てくる不満」が後から変えられない。するとデータ入力で工数がかかってきちゃう。そこに工数がかかって作業が止まると困りますね。

フィールド名が分かれば絞り込みの欄にテキスト入力して絞り込むことができます。解決になるかわかりませんが。

山本

デジエでは、検索した状態のクエリが自動で残っていたんですよ。kintoneでは「保存する」一手間がかかる。一個前の状態を再現するのはデジエの方がラクだった。

今は運用事業部の業務管理が大きいです。お客さんから依頼がきて、売上が上がったら計上して、という部分で一番よく使います。次は営業の顧客管理。ただ、メルマガ出す時には一度データベースに吐き出してメールソフトを使って投げているから、ここから仕組みとして出すことはしてないです。そこにあまり費用がかかるなら今の手間の方が安いかもしれない。メールもせいぜい月に2回〜3回だし。

サイボウズ「メールワイズ」とkintoneの連携をすると、kintoneから直接お客様に送信することも可能になります。

「システム」にコンピューターはなくてもいい

山本

そもそもシステム導入って、業務システムのそのものの見直しからやらないとダメだなと感じています。今のやり方をそのままシステムに移すのではなくて。無駄な工数がけっこうあるんですよ。僕はそこを変えて短縮させる。するとシステムもシンプルになっていきます。できるだけ入力項目やボタンを押す数を減らしたい。カメラがまわっててその中で全部の動きを把握して、それが全部自動で行くくらいのことはしたいです。

製造業ではそういう動きの分析をやりますね。

山本

トヨタが2分で車1台作っちゃうようなところまでレベルまでもっていきたいなと思います。 「システム化」って単純に現実世界をシステムに落とし込むのではなくて、現実世界で見えてない無駄な動きを減らすのがシステム化だと思っています。入力する人の手間が増える、得られるメリットが少ないようだとバランス考えた時にどうかな、と思う。コンピューターも要らない、紙でできるならそれで十分。ただ、検索したり調べたりするのに紙を見るよりは便利なんだと思います。ちょっと話がkintoneから外れちゃいましたけど。

今は会社の業務の60%くらいをkintoneで管理してます。60%までいかないかな。営業と運用事業部が一番使っています。 本当は制作事業部の工程管理も入れたかったんですが、今はExcelで進捗管理しています。

原価計算も今は手作業でExcelに入れていますが、本来はkintoneのデータにして、集計して原価計算までやれるようにしたい。 (工数管理をするには)今の制作工程を見直さないといけないんです。今うちの正式なディレクターは1人だけで、彼女のスケジュールを管理するだけで生産性が上がっちゃう状態になっています。だから工程管理の必要がない。システムが管理するほどの人数がない。

制作部分はまだ規模として1人におさまっている?

山本

全然おさまりきれない、だから会社を分ける予定です。現状ではこれ以上成長できないので、別会社に僕らが制作を発注する形にして、制作の仕様をシステム化していこうと準備しています。そうすると3人くらいディレクターを置いて、生産管理でどこまで進捗しているか、プロジェクト管理的なソフトが必要になってくる。

データベースの設計

「業務と合わなくなっているところがある」とおっしゃってましたが、それは量の問題ですか?

山本

いや、初期のデータベース設計の部分ですね。デジエで作ったデータをそのまま移行してしまった。当時はデータベースの設計がわからず作っちゃったので。

例えば、顧客情報の中に会社情報が含まれてしまっていて、顧客情報を会社情報と分けるのが無理なんです。顧客6人がいる会社が住所変更すると、6件すべて直さないといけない。

会社名もバラバラで非統一。アルファベット大文字、アルファベット小文字、カタカナ、今は誰でも入力できるので営業マンごとに違って入力しちゃう。会社名は総務だけしかいじれないようにするとかしないといけませんね。

申請方式もありますね。

山本

うちの顧客は2233件しかないから大した量ではないんです。1社で5人とか登録されているものもあるので。

逆に個人の顧客が複数の団体に所属しているケースも出て来ます。するとAさんのコードが二つできてしまって、ニュースレターが重複して配信されてしまいます。そういう場合、メインの所属を設定できれば、そこだけにしかメールが行かない、というふうにできる。

売上の部分も、ちょっと説明しづらいですけれど一つの売り上げが二つの部門に重なっちゃっている場合があります。最終的にはトータルすれば総量は変わらないけれど内訳が決めづらいんです。

一つの売上の集計先を分けるとなるとなかなか難しいですね。

山本

設計のところで少しミスした感はあります。ざっくりわかればいい、という感じではあるんですが、どっかのタイミングではまたリプレースしないといけないな、と思っています。これをリプレースする時にはもう一回業務から全部見直して作り替えたいです。データベースの入力も今は誰でも入れられる社内のルールですが、そのデータの入口をキチンと限定してルール化してシステムとして明確にして、全社の共通のプラットフォームにしてってことをやらないと。

kintoneにして良かった、便利になったという実感は?

山本

デジエの時よりは良くなっているけれど、何がよくなっているかうまく言えないですね。

アプリケーションとしては運用管理を追加していて、工程と売上の連動ができるようになりました。前のアプリケーションでは無理な部分だったので、この点ではこれに変えてよかった。

ただ業務見直しせずにそのまま入れているので入力方法が複雑化してしまいました。人が交代した時に誰でも使えるようなPOSシステムではなく、複雑なPOSシステムになってしまっています。研修をやっても間違えて入力しちゃうくらい。入力の仕方そのものを工程に合わせて、この時点でこの情報を入れる、というのをはっきりさせたいですね。このタイミングではこの情報しか入れられない、みたいな。

製造業で言う「ポカよけ(人為的なミスが絶対できない仕組み)」ですね。

山本

そこまで必要だなと思います。

e売るしくみ研究所 社内の様子

まとめ

  • 使ってみた後ではじめてわかる細かい使い勝手。
  • 業務によってはメールワイズなど外部連携も検討を。
  • 導入前に業務の見直しをするとシンプルで効率よいシステムに。
  • データベースの設計は導入初期にしっかり。
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